先日衆議院で郵政民営化法案が可決された。


小泉内閣政権も辞さない構えで望んでいる、その背景、あなたはご存知であろうか。



郵政民営化というのは、表向きの顔でしか過ぎないと言うことなのである。




まず始めに、郵政事業によって集められた資金がどのように使われているかを見てみる。


『当座預金』


と言うのを知っているだろうか。


これは、詳しくは割愛するが、利子の付かない預金である。


簡略的に流れだけを話すと、この当座に預けられている資金が、今やあちこちで問題視されている



『特殊法人等』



への融資金として簡単に流れてしまっているのである。



すなわち、特殊法人に融資されている≪財政投融資≫と言う融資資金が、こういった郵便貯金や国民年金等から集められているのである。


そして、その財政投融資資金は、特殊法人等のずさんな経営によって、年間100兆円以上(実際には不明)の公的資金が不良債権となっていると言う現実なのである。



その流れを容易にしてしまっている今の法律を絞るためには、特殊法人を取り締まるだけでなく、資金源となっている郵政事業を根本から見直す必要があるというわけなのだ。



特殊法人と言えば、公団・事業団・営団などなど様々であるが、議員の先生方の天下り先でもあるこれらの資金源を絞るということは、与党自民党内でも当然のことながら反対意見が出てくるわけである。





小泉首相が


              『官から民へ』  『国から地方へ』


等と言って国の予算の半分近くを占めている地方交付税交付金を削減することが


『三位一体の改革』


の一つとして上げられているが、それと同じように、郵政事業を国で運営している現状は、国家財政にとっても非常に厳しい場面を強いられる原因の一つになっていると言うことなのである。




国で採用されている会計方式が、『単式簿記』という、民間の『複式簿記』とは異なる形式であることもまた、国の予算の見直しを困難にしている要因であるとして、以前お伝えしたこともあるNPM という制度を活用し、民間の競争原理を国家にも採用することによって、国家自体も予算や資金運用に対する無駄を見直し、財政再建を図ろうと言う動きが現れているのである。




公務員と言うと、国から生活が保障されていて生活も安定するとして、今や憧れの職業の一つにも上げられるものではあるだろうが、彼らの収入は、私たちの税金から出されていると言うことを、決して忘れてはならない。



市民の一部でも民営化反対運動たるものを掲げて活動していることがあるようだが、単に郵便局が民営化されることによって倒産するかもしれないとか、経営が悪化する恐れがあるだとか、公務員として安定していた生活が脅かされるとか言う目先のことだけ、自分たちのことだけを考えて行動していると言うことはないだろうか?


民間委譲されることによって、確かにそういったリスクは拭いきれないのかもしれない。


しかし、国民の税金を好き勝手に使っていた政府から切り離されることで、民間の競争原理を採用し、よりよいサービス提供機関として、新たな再出発を目指しうる可能性もあるということは決して忘れてはならないのである。



何事においても、今までの安定した生活から抜け出して、新しいことに挑戦するというのは、非常に勇気のいることである。


しかし、どの成功者にしても、ひとつ言えることがあるとするのなら、



≪既存の状態に甘んじていては、発展・成長はありえない≫



と言うことを知っていて、その信念に従って行動しているのではないだろうか。



日本の財政が大規模な自転車操業状態という今日、このままでは改善するどころか、悪化しかねないと言う状況だったのだから、小泉首相の≪骨太の改革≫を実行しようとして現状を打開すべく、新しいことに挑戦しようと奮闘している心意気は、大いに評価したいと思うと同時に、その半面でリスクも大きく抱えていると言うことは決して忘れてはならない現実なのである。



私たち、いち国民として、今何が出来るのか、もっと深く考えていきたいと思うと同時に、自分自身まだまだ勉強不足で、世の中を全然わかっていないということに深く反省しながらも、地道にコツコツと積み重ねるしか近道はないのだと、実感しているところである。



こんなサイトを見つけたので、紹介しておきます。

財政投融資と特殊法人